2024年03月21日

25 念仏塚4号墳[念仏塚古墳群] 豊川市(旧一宮町)大木 前方後円墳 25m

 消滅古墳です。跡地には、現在「シロキクリエイトサービス」の建物があります。現存する1号墳の北東に隣接する前方後円墳でした。

 須川勝以さんは、「211 念仏塚古墳群」(『愛知県史 資料編3 考古3古墳』)で、「4号墳は、S-68°‐Wに主軸をもつ。墳長は約25m、後円部径約18m、前方部幅約12mを測る。後円部高は1.6~1.8mほどであったが、後述のように主体部の検出に至っていないことからも、本来の墳高を示すものではない。周濠は前方後円形に墳丘を全周しており、幅は2~4m、深さは0.6~0.8mであった。」(p.630)と述べています。
 古墳からは、円筒埴輪・人物埴輪(顔や手の一部)・須恵器などが出土しています。出土した須恵器から、2号墳に後続する築造と考えられています。

 岩原剛さんは、『東三河の古墳』の中で、「三河地方最大級の前方後円墳である豊川市船山1号墳(全長九六メートル)は、前述のように最近の発掘調査で五世紀中葉の築造と考えられるようになった。これに続く首長墓は、全長三〇メートル前後の小型前方後円墳や円墳で構成される念仏塚古墳群だけである。」(p.85)と述べています。
 東三河の首長墓として、空白の5世紀後半を埋める念仏塚古墳群の存在は、その規模以上に大きなものがありそうです。

 
 跡地付近。南から。
25 念仏塚4号墳[念仏塚古墳群] 豊川市(旧一宮町)大木 前方後円墳 25m
        2023年12月撮影。

 跡地付近。左端に1号墳。南東から。
25 念仏塚4号墳[念仏塚古墳群] 豊川市(旧一宮町)大木 前方後円墳 25m
        2024年2月撮影。



Posted by じこま at 07:06│Comments(0)
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